雨降りて 土肥ゆる。

つらつらうらうら。揺蕩う日々の虚ろな記憶の溜池。重い腰が上がらない。

楽園のカンヴァス

こんばんは、かぢつです。

ようやく明日、バイトの面接に行ってきます。これで無職から脱却出来る事を切に願います...

契約社員になりたかったのですが、如何せんお先どうなるか分からない状態なので、バイトとして応募してみました。けど、面接日時を決めるのに電話を頂いた時に、東京都外在住って伝えたら、何故か別の勤務地、しかも実際そのお店とさして距離が変わらない or むしろ遠いところを薦められたんですけど、これはどういう意味なんですかね?

ま、最近はそんな感じでそろそろ夏休みを終わりにしたいし、IELTSの勉強もしなければと焦っています(^q^)

さて、お金もない、友達も仕事、だけど時間はある!

そんな場合は何をするって、読書ですよね orz

タイトルにも記載したのですが、ハードカバーの頃から気になっていた「楽園のカンヴァス」がとうとう文庫化されたので早速買いました!っていうのが確か6月か7月あたり。そしてとうとう購入して読み終わりました!っていうのが7月の終わりか8月の頭。

―というわけで、ちょっと前ですが、凄く面白かった+美術史に興味を持った+今日、TV番組で原田マハ先生が出演していたという理由でレビューを書こうかとw あ、ネタバレ若干入ります。

最初にこの書籍を知ったのは雑誌のダ・ヴィンチ。確か巻頭で特集されていた気がします。そこで、お、ちょっと面白そうだなって軽く思って、書店で眺めていたのですが、如何せん、財布がいつもスリムだったので、文庫化されるまで見送っていました。そして、確か、待つ事1年くらい!書店に勤めている後輩から「楽園のカンヴァス、文庫化しましたよ!」ってメッセージを貰い、キター!って言ってお金が入ると速攻購入してきました。

なんだかんだ、なかなか時間がなかったので、読むのが遅くなってしまったのですが、読み始めたら、様々な絵画や美術館の名前が出てきてとても面白かったです。

さて、美術品とミステリーはどうやったら混ぜ合わせられるのだろうと疑問に思いながら読み始めたこの書物。それは1枚の絵画の真贋を見極めるというお話で合点がいきました。

真贋を見極める為の現代のお話と同時並行で、織絵とティムが読み進めなければならないアンリ・ルソーに関する物語も挿入されています。

全く別々の世界からスタートした2つの物語が徐々に溶け合い、そして全てが繋がった瞬間は、まるで1つの絵画が完成した感じでした。絵画と作者を見つめ続けてきた原田マハ先生は、きっと、絵を描くように、小説を書いたのかと思います。

そして、この美術ミステリーの間に入って来るのが織絵とティムのラブストーリー。基本的にラブストーリーはあまり好きではないのですが、この本は別です。凄く良かった!なんだかもう凄くきゅんとして泣けました!いや、「きゅんとして」っていうのはなんだか安い言い方ですね。ラブストーリーというか、ラブロマンスですかね。

やっぱり日本人なのかな。アメリカのがっつりキスで締めくくる勢いのエンディングではなくて、一拍置いてゆっくりと進み始めるところで終わる、恋愛の展開が、わたしには凄くよかったです。そして、ティムが織絵に会った時の言葉よ!あの台詞で全てに色がついて絵が完成したように感じられました。感激。

是非、色々な方に読んでもらいたいです、文字で読む美術館。

まだ原田先生の本は楽園しか読んだ事がないので、これから読みあさろうかなと思っています。それと同時に、美術史のお勉強も少ししてみたいなと思いました。

原田マハ先生のその他の作品はこちら

っていうか、アメリカ留学中にNYに2回くらい行ったのに、MoMAには全然行かなかったという暴挙!!orz

そして、アメリカもそうですが、ヨーロッパでも美術館には行く頻度が高かったにもかかわらず、絵画の知識が果てしなく乏しかったので、今、最大限の後悔をしておりますorz

一番好きな画家はレンブラントですが、知らない事が多過ぎる。アンリ・ルソーにも興味が湧いたので、ちょっとずつお勉強して行こうかと思い始めた夏の暮れでした。

 

楽園のカンヴァス

楽園のカンヴァス