I thought what I'd do was, I'd pretend one of those deaf-mutes.
今週のお題「憧れの人」
世の中に不満があるなら自分を変えろ
それが嫌なら耳と目を閉じ口をつぐんで孤独にくらせ
有名な台詞ですよね。
SFやハードボイルド系の有名アニメを好きな方なら直ぐにピンと来る台詞ではないのかと思います。
何度観ても素晴らしい作品な上、様々な引用が散りばめられているので、観る度に新たな発見がある作品です。
さて、今週のお題が「憧れの人」ということですが、わたしの憧れの人は草薙素子少佐ですかね。
現実味が全然ない「憧れの人」ですが、それが良いのです。
理想は高い方が良い。ハードルは高い方がくぐりやすい。何
攻殻機動隊を初めて観たのは確か留学中だった2012年だったかな。以前から当時の彼氏に面白いぞと薦められていたのですが、確か春休みかなんかで少し暇になったので観てみようかなと観始めたら、面白過ぎワロタ\(^o^)/っていう状態でした。
わたしはどちらかというとTVシリーズの方が好きですが、最近やってるARISEの方もそこそこ好きです。
草薙素子と言えば、美人、出来女、格好良い。
9課の男性陣に引けを取らない素子ですが、なんだかんだ、女性らしくもありますよね。例えば、2期後半の少佐とか。
さて、そんな少佐の1期の1話目のこの台詞がわたしは結構好きです。この台詞はサリンジャーの「ライ麦畑でつかまえて」を引用しているし、フラグ立てにもなっているわけですが、素子らしい台詞ですよね。
「世の中に不満があるなら自分を変えろ」
この台詞の意図が消極的な方向性なのか、はたまた攻撃的な方向性なのか、計りかねますが、今のご時世、まさにその通りなのでは無いのかと思います。
「民主主義」と言う都合の良い国家の統治方法の前において、マジョリティーと言う名の偏った架空の群衆に、人々(政治家、一般市民含む)は踊らされているように思えてなりません。
考える事を放棄した人々はメディアやネットの煽動によって形成された虚無の「マジョリティー」に追随し、目先の未来をそれが永遠に続くものと勘違いして声高に文句を言い並べているように思えます。
全く違うところからになりますが十二国記内でわたしがもっとも好きな言葉は「責難は成事にあらず」です。
人や組織を責める事、壊す事は容易いです。
けれど、そこから何故責め壊したかという理由からより良いはずのものを作り出す事は難解であり、またそのような理由が無い限り、作られる事はありません。
今現在、わたし達は理由無き破壊をしているように思えます。
目先の疑似「幸福」だけを見つめ、あれは駄目、これは駄目。
考える事を放棄し、個を捨てた人々が不満を声高に上げても、現状は畢竟、何も変わらないのだと思います。
そんなマジョリティーに溶けようとする個で不満を掲げ、無意味な絶望を味わい、それを嫌だと嘆くのならば、まさに、
「...耳と目を閉じ口をつぐんで孤独に暮らせ」
だと思います。
今、攻殻機動隊が再放送とかされたらなんか凄い事になりそうな気がします。刷新的なアニメでした。
というわけで、草薙素子少佐に乾杯。